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タンドリンマ 2011.10.14

001:自由が丘女神まつりにて(photo:Takashi Ashitomi)

タンドリンマ(tandorimma)の演奏を楽しむために「自由が丘 女神まつり」に行きました。タンドリンマは、女性14人の無国籍楽団です。彼女たちの演奏は、まるで夢の世界にいるような幸せな気分にさせてくれます。全く雰囲気は異なりますが、ギタリストのサイモン・ジェフズを中心としたペンギンカフェ・オーケストラ(Penguin Cafe Orchestra)を、何故か思い出しました。大好きだった楽団です。両者の演奏から得る幸せ感に共通性を感じるのです。
タンドリンマのもう一つの魅力は、彼女たちのコスチュームデザインとパフォーマンスでしょう。

002:自由が丘女神まつりにて(photo:Takashi Ashitomi)

003:自由が丘女神まつりにて(photo:Takashi Ashitomi)

タンドリンマのコスチュームのデザインは、どこかで見たことのあるアイコンを入れることによって身近さを演出しながら、見たことのないコーディネーションによって、夢の世界へ誘(いざな)ってくれます。毎回異なるコスチュームデザインの豊かな想像力に出会うのも楽しみの一つなのです。

004:多摩美術大学にて(写真提供:tandorimma/photo:BOZZO)

005:多摩美術大学にて(写真提供:tandorimma)

006:多摩美術大学にて(写真提供:tandorimma)

007:教え子の結婚式にて(写真提供:tandorimma)

タンドリンマのコスチュームのデザインを見て、何故かバウハウスのオスカー・シュレンマー(Oskar Schlemmer)の舞台衣装を思い出してしまいました。オスカー・シュレンマーがデザインした舞台衣装は、タンドリンマのコスチュームと見た目も違いますし、もっとアバンギャルドだと思いますが、そのデザインが醸し出すイメージに共通性を感じるのです。ワイマールのバウハウス・ミュージアムで撮影したオスカーシュレンマーの舞台衣装のデザインを着たと思われる人形たち(写真009)は、よりタンドリンマの、夢の世界から舞い降りた天使たちのような可愛らしさに近い印象です。

008:Bauhaus Museum, Weimar(Photo:Takashi Ashitomi)

009:Bauhaus Museum, Weimar(Photo:Takashi Ashitomi)

デザインにおける無国籍化、ボーダーレス化は、iPhoneのようなワールドワイド商品のように単一のデザインが世界を席巻することのように思われがちですが、様々なローカルな文化の痕跡が混在しながらも調和のとれたデザインなのではないかと思うのです。それを具体化するのは難しいと思いますが、タンドリンマはそのヒントを与えてくれているように思います。

このコラムのために協力してくださったタンドリンマの皆さん、ありがとうございました。これからも幸せになれる楽しい演奏を楽しみにしています。