目黒区美術館で「DOMA秋岡芳夫展」が始まりました。
展覧会の会期中は、ワークショップやサロンなどのイベントも予定されています。11月19日（土）のサロンにはゲストとして出席します。

秋岡芳夫さんとの出会いは、大学３年次の頃です。進路に悩んで秋岡さんを尋ねたことがきっかけで、毎週木曜日の夕方にひらかれていたモノ・モノのサロンに通うようになりました。そこでは、様々な職種の人が集い、毎回持ち寄りの美味しい料理とお酒でおしゃべりを楽しんでいました。秋岡さんは話が上手いだけでなく、集まる人たちの個性を引き出してクローズアップさせることも上手かった。その気配りは自然で見事。私のような学生にも、話をするチャンスをつくってくれたことが印象に残っています。その頃知り合った方々とは今でもおつきあいしています。秋岡さんは、何よりも人と人をむすぶことがうまかったのだと思います。

展示を見ると、とても一人のデザイナーの仕事とは思えないほど、デザインの幅が広く、量も多く圧倒されます。それはデザインを一人で抱え込むのではなく、多くの人をむすびつけながら、みんなでモノづくりを楽しんでいたからなのではないでしょうか。デザインの楽しさを誰にでも伝えることのできる力こそが、秋岡芳夫の類い稀な才能だったように思います。